知識不足を乗り越えられたのは
いつでも先輩に聞ける環境のおかげ
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R.Oさんがサーバー保守・運用サービスチームに配属され、私と同じサーバーのバックアップサポート担当になってから、ちょうど1年になります。サービス対象のサーバーからバックアップに関する異常(アラート)を検知したら原因を調査・究明し、問題解決を行う、という基本的な業務には慣れてきたようですね。
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私は文系出身でサーバーやバックアップソフトに関する知識がほとんどなかったため、最初は自分にできるだろうかと不安でした。お問い合わせが多いのはバックアップソフトの設定方法や、間違えてサーバー内のファイルを消してしまったといった内容です。最初の頃はサポートする立場でありながら、お客様の方が私よりお詳しいという場合もありました。初めて一人で対応できたのは、配属されて半年後のことです。今でもK.Sさんやリーダーに聞くことが多いので、手のかかる後輩だと思います。
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誰でも最初はわからなくて当たり前なので、気にしなくて大丈夫。疑問を感じた時は遠慮せずに、すぐに聞いて確認することが成長に繋がるし、結果としてお客様の満足度向上にもなります。
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はい、お客様に間違えたことをお伝えして、ご迷惑をお掛けしないように心がけています。
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そういう慎重さもR.Oさんのいいところです。人と話すのが好きでコミュニケーション力が高いところは、この仕事にぴったりの資質だと思います。入社時にサーバー保守・運用サービスへの配属を希望したと聞きましたが、イメージしていた業務とのギャップはありましたか。
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内定前の最終面接で、お客様を支える仕事に就きたいという気持ちを伝えたので、それを汲み取っていただいたのだと思います。結果として希望通りになりました。業務の内容は想像していた通りでした。
電話応対コンクールへの参加は
スキルアップできる絶好の機会
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約3万台のサーバーがあるので、平均すると1人1日25件くらいのアラートやお問い合わせに対応していますが、いまR.Oさんが一番苦労しているのは、どんなことですか。
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私たちの業務は電話やメールでのやり取りが基本です。お客様と対面してお話しすることがないので、声や文面から正しい情報やご相談の緊急性を汲み取るのが難しいです。まだ自分一人で対応できる範囲が狭いので、できるだけお客様をお待たせしないように努力しています。以前、バックアップのエラーを検知したお客様から、30分以内にリモートでサーバー内を確認してほしいと依頼されたことがありました。私はまだリモート対応できなかったので、先輩に引き継いで対応してもらいました。忙しくても必ずフォローしてもらえる環境には感謝していますが、そこに甘え過ぎないようにしたいと思っています。この後すぐにリモート対応の手順を勉強をして社内テストに合格したので、リモート対応のご依頼にも私一人で対応できるようになりました。
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私も新人の頃に、お客様にうまく説明することができず「別の担当者に代わってください」と言われたことを思い出しました。電話を引き継いでくれた先輩の説明でお客様が納得しているのを聞いて、自分の未熟さを痛感したのは今でも忘れられません。「これも経験だから」という先輩の言葉に、もっと頑張らなくてはと奮起しました。いまはトレーナーとして後輩の指導をする立場になり、かつて自分が先輩方に支えてもらったようにフォローしてあげることを心がけています。
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K.Sさんは業務知識もお客様への対応もレベルが高くて、先輩として完璧です。電話応対コンクール(※1)で3年連続入賞していて、本当にすごい。私にとって憧れであり、いつか追いつきたい目標です。
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電話応対コンクールは全国規模の開催で、銀行・証券業界やホテル業界のトップクラスの企業の代表者と競うことになるので、都大会を突破するだけでも至難の業です。
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配属されたばかりの頃に、都大会に出場したK.Sさんの応援に行きました。出場された皆さんはとても上手で、どこに差があるのか全くわかりませんでした。
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昨年の都大会では自分なりに健闘したけど、全国大会に進めなくて残念でした。私は理系出身なのでプログラミングは学んだけど、お客様対応の勉強はしてこなかったので、入社時の応対スキルはR.Oさんと変わりません。この仕事に就くまで「恐れ入ります」などのクッション言葉(※2)を使った経験はゼロでした。
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次の大会に私も初めて出場するので、ご指導よろしくお願いします。
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任せてください。出場すると対応スキルが格段にレベルアップするので、コンクール経験者はすぐにわかります。R.Oさんの課題は滑舌とイントネーションかな。私もナマリを直すのにかなり苦労しました。プロのアナウンサーの指導を受ける機会があるので、そこで気付くこともたくさんあるでしょう。
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先輩方に声のトーンや言い回しについてレクチャーを受けて、徐々に上達したと思いますが、まだまだなので頑張ります。
※1 電話応対コンクール:日本電信電話ユーザ協会が主催する電話応対の技術を競う競技会
※2 クッション言葉:「申し訳ございませんが」「お手数ですが」など、あとに続く言葉の「聞こえ方」がマイルドになり、相手の印象を和げる効果があるフレーズのことです。
対応できる業務範囲を広げ
オールマイティなインフラエンジニアへ
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R.Oさんが仕事のやりがいや楽しさを感じるのは、どんな時ですか。
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お客様からのお問い合わせに対して、迷わず迅速に対応できた時はうれしいです。お客様も喜んでくださいますし、私自身も成長の手応えを感じられます。K.Sさんにとっては、できて当たり前のことだと思いますが。
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どんなに経験を積んでも、お客様からの感謝がうれしいことは変わりません。ただ、私がより大きなやりがいを感じるのは、原因不明のアラートを復旧できた時です。全く原因がわからずに1週間、長い場合は1カ月以上も調査して、ようやく原因にたどり着いた時の喜びは、とても大きなものがあります。新人の頃は、とにかく件数をこなしてアラートのパターンを知りたかった。今は難易度が高くて複雑なものに取り組みたいという気持ちに変わっています。
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私がそのレベルに達するまでは、まだ時間がかかりそうです。これからK.Sさんが達成したいと考えている目標について教えてください。
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難易度の高いものを含めて、バックアップに関する全てのアラートを経験することです。オールマイティーに対応できるだけの力を養って、メンバーや後輩から頼られると同時に、チーム全体のレベルアップにも貢献していきたい。その延長で考えているのが、業務効率を上げるためのマニュアル作りです。お客様ごとにサーバーの環境が違うので、汎用性のあるマニュアルを作るのは難しいけど、何かいい方法があるはずです。
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私たちはサーバーに関するサポートしかできないので、お客様からお話を聞いてネットワーク障害だとわかると、別のチームに引き継がなくてはいけません。後から経緯を確認することはできますが、最後までサポートできなかったという気持ちが残ってしまいます。他のチームで提供しているサービスも理解しておけば、引き継ぎもスムーズにできるし、その場でお客様にお答えすることもできます。
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契約により制限されていて難しいのですが、お客様の満足度を高めるためにも、対応できるサポート範囲を広げられたらいいと思います。理想はサーバーからネットワーク、ソフト、ハードまで全てに対応できるオールマイティなインフラエンジニアになることです。
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私はバックアップの知識だけでもまだ足りないので、どれだけ勉強すればいいのか想像もできませんが、自分自身の成長の為に精一杯取り組みたいです。
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今はメンバーそれぞれが専門特化して分業する形で対応していますが、IT業界は変化が激しいので、お客様のニーズや技術の進歩とともに変わっていくかもしれません。そうした変化の最前線にいることも、この仕事の面白さだと思っています。まずは、次の電話応対コンクールでいい成績を残せるように頑張りましょう!
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はい、よろしくお願いします。